アトピーと共生する【デュピクセント継続中】

アトピー性皮膚炎患者が、病状を安定させるための様々な試みを記録しています。2021年3月1日から脱ステロイドを開始し、6月23日にステロイド再開。6月11日よりデュピクセントを使用中。

覚悟と気の持ちよう

アトピーはしんどいですよね。寝てる間も含めて24時間いつ痒みが襲ってくるかわかりません。汗や食事、ストレスなど、いろんな要因で簡単に悪くなってしまいます。

 

そして、現在はデュピクセントを使用していますが、この薬は世に出てからまだ3年余りしか経過していない新薬です。そのため、今のところは非常に有効な薬とされていますが、いつ何時新たな副作用が発見されるかわかりません。また、薬価も非常に高く、ひと月で4万余りがなくなっていきます。そのために、デュピクセントを使用している人も、できれば使用をやめたいと思っている人が大勢いらっしゃいます。

 

また、ステロイドについても同様です。現在私は、ほとんどステロイドは使用せずにデュピクセントのみで症状をコントロールすることができています。ですが、アトピーは悪化と寛解を繰り返す病気(というか体質)で、基本的に根治することはない病気(と私は考えています。根治できるという考え方の方もたくさんいらっしゃいます。)ですので、また症状が悪化したら、ステロイドに頼る時期も必ず発生すると思います。

 

ステロイドについても、できればやめたいと考える人が多く、私も脱ステロイドにチャレンジして失敗した人間の一人です。なぜステロイドをやめたいと考える人が多いかというと、ステロイドは明確な副作用(私の場合は、全身にぽつぽつとニキビができたこと、今まで痒くなかった顔と頭皮に痒みがでてきたこと、そのほかにも長期使用で皮膚が薄くなったり、毛細血管が細くなったりします。)がある割に、その効果は対処療法的で、一時的に良くなってもしばらくするとまた悪化してしまうため、それならいっそのことやめようと考える人が多いからです。

 

ステロイドもデュピクセントも対処療法的な治療法になるため、体質改善をして、薬を使わなくても正常でいられる体を手に入れたいと考えるのはとても自然な流れだと思います。

 

さて、ここで、ブログのタイトル「アトピーと共生する」という点にもつながりますが、私のアトピーに対する考え方を改めて明確にすると、私はアトピーとは体質だと考えており、従って体質改善などである程度の改善はできたとしても、根源的にアトピー体質がなくなることはあり得ないと考えています。

 

汗をかきやすい体質、緊張しやすい体質、偏頭痛持ち、慢性的な腰痛持ち、花粉症。後天的、先天的にかかわらず、世の中には色々な体質をお持ちの方がいらっしゃいます。薬が必要ない体質もあれば、例えば先天性の病気などで、薬がないと生きていくことすらできない体質の方もいらっしゃいます。

 

私はアトピーというのは、そういった生まれ持った体質の一つだと考えています。アトピー体質であるということに対して、本人に帰責性は一切ありません。先天性の病気を持った人について、その人に帰責性がないのと同様です。

 

ところで、アトピーを悪化させる要因というのは、研究の結果ある程度明確になってきていますが、結局のところは、掻破が唯一の問題ということに帰結すると思います。しかし、アトピーの痒みは、アトピー持ちの皆様は十分ご承知の通り、気合で我慢できるようなレベルのものではありません。つまり「かゆみを感じる⇒ひっかき行動」という流れを自力でコントロールすることは、ほぼ不可能と私は考えています。

 

では、どうするか。

 

答えはかゆみを感じる機会を極力減らすことですね。私も脱ステロイドに挑戦していたことは、ここを目指していましたが、やはり体質的にちょっと無理だなと考えるに至りました。

 

敏感肌という言い方がありますが、まさにその通りで、汗や温度、ストレスなど、ちょっとした因子に私の体の痒み神経は敏感に反応してしまうのです。これは神経の反応なので、考えてどうにかなるものではありません。汗をかかないこと、食事を制限することなどで、コントロールの余地はあるにしても、どれだけコントロールしても、私の体質の場合、気温や湿度や睡眠中の布団の中の温かみなど、コントロールできないレベルの因子によりかゆみを感じることは避けられなく、結果として年がら年中皮膚を掻き壊してしまうため、正常な皮膚の状態を維持できないという状況です。

 

アトピー体質にも、レベルがあり、少しの悪化因子に対して大きく反応してしまう人もいれば、多少の反応で収まり、多少悪くなることがあっても、おおむね日常生活に支障が生じないレベルのかゆみで押さえられる人もいます。

 

私は、その悪化因子に対する反応が、アトピー体質の中でもやや人より強くでてしまう体質ということなのです。これは生まれ持った体質であるために、努力でどうにかできるものではないと考えています。私が頑張ってどうにかなる問題ではないということですね。例えばストレスを感じない生活をするとか、適切な睡眠をとるとか(睡眠については、痒みにより妨害されるので、これもコントロールが難しい)油脂や糖、アルコールの接種を控える、ということである程度の改善をすることはもちろん可能です。ただ、そういった自助努力でできる改善で到達できるレベルでは、まだ問題なく日常生活が送れるレベルまで達することができないということです。

 

ここでようやく今日のタイトル「覚悟と気の持ちよう」の回収ですが、私は自助努力で日常生活が送れないのであれば、薬に頼るしかないと思っています。アトピー以外の病気で、薬がないと生きていけない人はたくさんいて、私はその人の中の一人ということです。ただそれだけのことです。

 

もちろん、アトピーはそれが直接の要因で死ぬ病気じゃないです。ただし、日常生活が送れなければ、仕事もできませんし、妻や子供を養っていくことはできません。仮にデュピクセントが今は知られていない、猛毒が含まれている薬であったとして(そんなことは現在の医療ではありえないですが)30年度に死ぬ薬だったとしても、今、それを使わないと普通の日常生活が送れないので、私は使い続けると思います。

 

仮に、もしこれが「10年後に死ぬ」だった場合は、10年間に稼げる金額では、遺族年金などを考えても、妻と子供に十分なお金を残せないので即使用中止しますが(笑)

 

何の薬であっても、やはり薬を使い続けることは、将来に向けて何らかの不安を抱えることになります。急に薬が効かなくなるという心配もあります。ですが、今は薬の研究もどんどん進んでいて、新たな薬がどんどん出てくるようになります。デュピクセントの効果がなくなったり、副作用が抑えられなくなったら、その時はその時で、最新の薬に乗り換えればよいのです。

 

人は誰でもいつかは死にます。むしろ高齢者になれば何らかしら薬に頼って生きていくことになり、薬を全く使わない場合、早く死んでしまいます。日本人の寿命がこれだけ長寿化したのも、医薬の進歩によるものにほかなりません。

 

現代社会において、薬に頼って日常生活を送るということは当たり前のことなのです。もちろん使わなくて済むのであれば、もちろんそれに越したことはありません。ですが、薬を使わずに日常生活を送れないか、薬を使って日常生活を送れるか、であれば私は後者を選択するということです。昔はそもそも後者の選択肢はなく、病気になったら人生をあきらめるしかありませんでした。ですが今は薬を使いながら生きていくという選択が取れるようになっているという風に考えるようにします。仮に、今は知られていない副作用が将来分かったとしても、それは運が悪かったと腹を括るしかないという風に覚悟を決めました。

 

また、私は当面の間、大好きなお酒や、テント泊での登山、精製された糖分の入ったお菓子、添加物の多いファストフードや外食を控えるようにします。でも、これも気の持ちようです。幸いに私は食物アレルギーはありません。腰痛持ちでもありません。そもそも体質的にまったくアルコールがダメな人もいます。私の場合はいざとなったら、アルコールを飲んだり大好きなテント泊登山をすることもできるのです。でも、アトピーが悪くなるからやらない。少なくとも、家族に迷惑をかけないぐらい稼ぎきって、私がアトピーにより働けなくなったとしても、家族に心配をかけないぐらいの土台を作り切るまでは、アトピーを悪化させるものは制限しようと思います。

 

とても長い戦いになると思いますが、こればかりは生まれ持った体質なので、仕方ありません。でも本当は、たったこれだけ気を付けるだけで、日常生活が送れることを、もっと感謝するべきなのだと考えるべきなのかもしれませんよね。そもそも、もしアトピーがなかったとしても、もう養うべき家族もいるので、なにもかも自分のやりたいように生きれるわけではないですよね。アトピーによって、ほんの少しだけ、その行動制限が人よりも多い、ただそれだけのことです。

 

できないことに捉われるのではなく、できることに感謝をしながら生きていきたいですね。

 

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【超重要】

上記で述べた内容は、あくまで今時点での私の置かれた状況において最善と考えた結果にすぎません。もちろん状況の変化に応じて将来的に方針が変わるかもしれません。

また、脱ステロイドや薬を使わない根源治療という考え方を否定するものでは全くありません。本当は使いたくてもやむを得ない状況によって薬が使えない人もいらっしゃると思います。

アトピーは人によって千差万別で、現在の症状に足るまでの過程も、その対処法もほんとに人それぞれだと思います。アトピー患者同士、お互いの治療方針や考え方は消して否定したりせず、尊重することが重要であると考えています。