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【購入か賃貸か】(長文)不動産の購入vs賃貸論争に対する見解

今日はいつの時代も尽きることがない、住宅の購入か賃貸か論争についての私なりの考えをまとめてみました。ひろゆき氏、ホリエモン勝間和代氏といった知識人は断然賃貸派です。巷では住宅は「負動産」などといって、住宅購入を経済的にとても非効率なものと捉えられている傾向もあるようです。ですが私は購入派です。そのことについて以下の通り見解を述べたいと思います。かなり長文になりますが御容赦ください。

ちなみに昔よく読んでいた米国株ブロガーのたぱぞう氏も賃貸派だったようですが、今日改めて確認してみたら、2019年頃を境に購入派に切り替えたそうです。

 

1.賃貸派の主張

 

様々な意見があると思いますが、賃貸派による購入のデメリットについて大まかに分けると以下のような内容に大別されると思います。

  1. 今後の住宅価額は下落の一途をたどると見込まれ、購入した住宅の価値が将来的に下落する可能性が高いこと。
  2. 転勤や転職、子供の進学などの理由により、いつ何時その地域から離れなくてはいけないかが分からないが、購入の場合は住み替え時は売却が必要となり多大な労力と手数料がかかる。
  3. 購入の場合簡単には転居できない。そのため近隣に変人がいたとしても、ずっとその人と付き合っていかなくてはならない。
  4. 固定資産税や管理費、修繕積立金などの経費がかかる。

 

2.購入派の主張

 

こちらも様々な意見があると思いますが、購入派による購入のメリットを大まかに分けると以下のような内容に大別されると思います。

  1. 住宅は資産として手元に残る。(家賃を支払わなくてすむ)
  2. 同価格帯の賃貸物件よりもグレードの良い物件に住むことができる。
  3. 自由にカスタマイズできる。
  4. 老後や万一の時にも住み続けられる。

なお、賃貸のメリット・デメリットは上記の裏返しになるので割愛します。

 

3.私の見解

 

賃貸派による購入のデメリットの主張をみると、結局のところ売却時に購入時よりも価値が下がっている可能性が高いということが一番大きな問題点だと考えられているように思います。デメリットの1と4は直接的に金額の話ですし、2と3については、売却先を探すという金銭以外の手間もかかるものの、仮に売り主の希望価格が市場価額とマッチしていてすんなり売ることができるのであればそれほど手間はかからず、つまるところ売却価額の問題であるということができるかと思います。

でも、住宅が経年劣化する以上、購入時よりも価値が下がるのはある意味当然だと考えられますね。一方で、賃貸の場合であっても毎月の家賃を払わなくてはならないので、その分の費用負担が浮いていると考えることもできます。

では、結局のところ購入と賃貸、どちらのほうが金銭的に有利なのでしょうか。それを調べるためには、購入と賃貸のそれぞれで発生するすべてのお金の出入りを明確にして比べるのが最も分かりやすいのではないでしょうか。

そこで、以下では、実際に某駅近辺において賃貸物件と販売物件にかかる費用を比較してみます。

私が希望するエリアや条件は以下の通りです。

  • 都心(勤務地)から電車で20分の某駅
  • 60平米超
  • 駅から7分以内程度
  • マンション希望だが階層にこだわりなし
  • 間取りはこだわりなし
  • 築10年以内程度

 

3-1.賃貸の場合

 

上記の条件でスーモで検索をかけたところ、該当は0件でした。。隣の駅まで広げて28万円の物件が1件該当しただけでした。

皆さんも賃貸物件を探すときにはやると思いますが、こうなると、優先順位の低いものから妥協をしていくことになりますね。広さにはこだわりたいので、駅10分、築年数20年まで広げてみます。

そうすると7件該当するのですが、6件は戸建賃貸、1件も戸建賃貸を1階と2階に分けたタイプでした。ちょっとまだ希望に合わないので、駅15分、3LDKという条件を外すと、ようやく以下の物件が該当しました。

 

物件概要

家賃:16万円、敷金30万円、礼金15万円

広さ:73平米

築年数:16年

階層:2階/6階

最寄駅からの距離:11分

間取り:2SLDK

 

では、さっそく上記の条件の物件について、かかる費用を概算してみましょう。賃貸物件の場合はかかる費用は非常にシンプルです。初期費用以外は2年に一度の更新料が発生するだけです。ここでとても重要な点は、今回は賃貸物件と購入物件の比較のための金額比較を行うので、どちらの場合も同様に発生する費用については無視して計算を行います。例えば引っ越し費用は、賃貸物件に住む場合でも購入物件に住む場合でも同様にかかりますので無視します。また賃貸物件については引っ越し時に鍵交換費用とか入居時にクリーニング費用を前払いすることが最近は多いですが、全体の金額から見ると僅少なので、計算からは除外します。同様にきっかり月初から入居したとして、日割り家賃も省略します。

さて、引っ越し時の費用は、敷金30万円、礼金15万円、仲介手数料15万円の合計60万円になります。そして毎月の家賃が16万円なので、初年度の家賃は16万×12か月=192万円ということになります。

2年目以降の計算の前提として、

  • 2年に1度更新料として家賃1か月分がかかる。
  • 5年に1度経年劣化に伴い家賃が1万円ずつ安くなる。(なかなか主張通らないことが多いと思いますが、仮にそのような主張が通ったと仮定します。)

1年目:16万×12か月+初期費用60万=252万

2年目:16万×12か月=192万

3年目:16万×12か月+更新料16万=208万

・・・

6年目:15万×12か月=180万

7年目:15万×12か月+更新料15万=195万

・・・

35年目:10万×12か月+更新料10万=130万

この計算を基にすると、費用の累計総額は以下のようになります。

5年 1,148万
10年 2,153万
15年 3,105万
20年 3,976万
25年 4,792万
30年 5,529万
35年

6,209万

 

3-2.購入の場合

 

賃貸と同様に以下の条件で検索すると今回は新築マンションと中古マンションそれぞれで該当がありました。いずれも最安の物件で詳細にみていきましょう。

  • 都心(勤務地)から電車で20分の某駅
  • 60平米超
  • 駅から7分以内程度
  • マンション希望だが階層にこだわりなし
  • 間取りはこだわりなし
  • 築10年以内程度

物件概要(中古)及び借入条件

物件価額:5,080万円

広さ:68平米

築年数:3年

階層:1階/5階

最寄駅からの距離:4分

間取り:2LDK

管理費:1万5千円

修繕積立金:当初5年7千円、次の5年1万4千円、次の5年以降2万円

固定資産税:当初毎年30万円、5年ごとに2万円ずつ減少

住宅ローン減税:当初10年間20万円

頭金は80万円のみ、残りは住宅ローン。変動金利を利用するとして、当初0.45%、利率上昇のリスクを織り込み、11年目~0.7%で計算します。その場合、当初10年の毎月の元利金の支払額は128,690円、11年目以降の毎月の元利金支払い額は132,688円となります。

仲介手数料は物件価格3.3%の168万円、融資手数料はローン額の2.2%の138万円、不動産取得税紙税その他が74万円程度かかるとして、取得時費用として380万とします。これに取得時の頭金として80万円入れるとすると、取得時の支払総額は460万円になります。

このような場合のローン支払総額、初期費用を加えた支払総額とローンの残高の推移は以下通りです。(単位は万円)

 

年数 元利返済額 管理費+ 修繕費 固定資産税-ローン減税 初期費用 支払総額 (初期費用込) 残債
5年 772 132 50 460 1,414 4,344
10年 772 174 40 0 2,400 3,051
15年 796 210 130 0 3,536 2,971
20年 796 210 120 0 4,663 2,267
25年 796 210 110 0 5,779 1,537
30年 796 210 100 0 6,885 782
35年 796 210 90 0 7,981 0

 

3-3.比較

 

上記の表の通り、賃貸の場合と購入の場合の支出額の比較とその時点でのローン残高の関係性が分かりました。

賃貸と購入のどちらが有利かを考えるには、それぞれの支出額の差額と住宅を売却したときの売却代金から住宅ローンの残債の支出額を控除したものを比較すればよいことになります。

なお、売却代金の計算にあたっては、諸経費相当額(仲介手数料、印紙代、名義変更手数料等)を考慮する必要があるのでご留意ください。。ここでは売却代金の5%としておきます。
つまり、購入の場合の総支払額から賃貸の場合の総支払額差額(Aとします)と手数料控除後の売却代金から住宅ローンの残債を返済した後に残った金額(Bとします)を比べた時に、Aのほうが大きい場合は賃貸のほうが有利で、逆にBのほうが大きい場合には購入のほうが有利ということになります。下記の表で言うと、①がA、③-②がBですね。

これらの関係から、購入からの各年数ごとにいくらで売却すれば賃貸よりも有利になるかという金額を算定することができます。(下表の一番右の金額がその金額です。)

具体的に言えば、例えば10年後に4,063万円、20年度に3,101万円で売却することができれば、金銭的に購入のほうが有利ということになります。

  購入 賃貸 ①差額 ②残債 ③売却価格 (手数料抜) 売却価額 (手数料込)
5年 1,414 1,148 266 4,344 4,610 4,841
10年 2,400 2,153 247 3,651 3,898 4,063
15年 3,536 3,105 431 2,971 3,402 3,572
20年 4,663 3,976 687 2,267 2,953 3,101
25年 5,779 4,792 987 1,537 2,524 2,650
30年 6,885 5,529 1,356 782 2,138 2,245
35年 7,981 6,209 1,772 0 1,772 1,861

 

3-4.結論

 

私は、今回調査の対象とした駅の中古マンションの相場と比較して、10年後に4,063万円で売却することは十分に可能なのではないかと考えています。
さらに、今回の事例では表面的な条件でも購入が徒歩4分、賃貸が徒歩11分と購入のほうが有利な物件であることに加え、キッチンやバスといった住宅設備はやはり賃貸用のマンションのものは販売用マンションに比べて数段階劣ってしまいます。内装の雰囲気もやはり購入用物件のほうが良いものが多いです。
また、住宅ローンを組むためには団信保険に入る必要があるのですが、これが実質的な生命保険的な役割を果たしてくれたりします。「団信 生命保険」等で検索してもらうとわかりやすい解説が出てくると思います。


私は妻と子供がおり、できれば便利な住環境で生活をしたく、さらに私は転勤がない職種となっており、少なくても10年程度は会社にいられる可能性が高いと考えています。
これらを総合的に考えると、やはり私は購入のほうが良いかと思いました。
これまでお伝えしてきたような、細かい金銭的な有利不利もあるかと思いますが、結局のところ、単純に賃貸と購入では同価格帯で住めるグレードにそれなりの差があるため、家族で10年単位の長い時間を過ごすのであれば、より快適な環境で生活したいというところが最も大きな要因です。

これだけの長文を最後まで読んでいただけた方はいますでしょうか(笑)

もしいらっしゃったら大変有難く思います。ぜひ感想やご意見を頂ければ幸いです。