アトピーと共生する【デュピクセント継続中】

アトピー性皮膚炎患者が、病状を安定させるための様々な試みを記録しています。2021年3月1日から脱ステロイドを開始し、6月23日にステロイド再開。6月11日よりデュピクセントを使用中。

【豊富温泉】体験記 ~20日間の湯治を振り返って~

私は2021年5月18日~6月5日まで、移動日含め20日間、アトピー性皮膚炎の治療のために、豊富温泉に湯治に行きました。

湯治から戻ってから3週間経過した今、改めて豊富温泉での湯治を振り返ってみたいと思います。

 

目次

  • 1.豊富温泉とは
  • 2.療養中の体調の推移
  • 3.湯治から戻った後の体調
  • 4.現地での生活
  • 5.かかった費用
  • 6.豊富温泉へのアクセス
  • 7.まとめ

 

1.豊富温泉とは

 

豊富温泉とは、日本の最北、北海道の稚内にある温泉で、石油由来の特徴的な湯で、湯船には石油のような膜が張っています。

近年、アトピー性皮膚炎患者の口コミによって有名になり、現在ではアトピーや乾癬患者向けの湯治を売りとしている温泉街で、「アトピー性皮膚炎 湯治」で検索するとトップでヒットする温泉です。

実際に、温泉街には、今回私が宿泊した「愉快宿」をはじめ、湯治客向けの長期宿泊用の調理器具を備えた宿泊施設が複数存在します。

「含よう素-ナトリウム-塩化物温泉」という泉質が皮膚の殺菌に効き、痒みの元になる黄色ブドウ球菌を殺菌して、「油分に含まれるタール」が抗炎症作用を発揮し、また温泉の油分が保湿の効果ももたらしてくれる、というように言われています。

 

2.療養中の体調の推移 

 

1日目~3日目:皮膚の乾燥がひどく、痒みもあり来る前よりも体調悪化

4日目~5日目:相変わらず乾燥がひどい。乾燥からくる痒みの可能性も考えて、体の一部分(左腕、腹部、胸部、背中)に保湿剤を塗り始める。

6日目:体調が少し良くなっていることを感じる。起床時の軋みや乾燥が今までよりも少し少なくなっていることを感じる。特に保湿剤を塗っている部分。保湿剤の効果を感じ保湿剤を全身に塗るようにする。

7日目:乾燥及び乾燥からくる痒みが和らぐ。相変わらず夜は寝れない。23時から4時にかけてかゆみが強くなることが分かってくる。

8日目:運動指導を受ける。運動後の汗に反応してかゆみがでる。夜中のかゆみは変わらず。

9日目:前日に睡眠導入剤をのみよく寝れた。落屑が減少していること、体の赤みが減ってきていることを感じる。

10日目:ほとんど寝れず、夜中に結構強い痒みを感じる。しかし乾燥や赤み、落屑は減少している。

11日目:前日に睡眠導入剤を飲んで寝る。落屑がかなり減る。かゆみは減ってきているものの相変わらず不定期に発生する。

12日目:睡眠導入剤使わない。かゆみで夜寝れない。昼の痒みは減ってきている。

13日目:前日に睡眠導入剤を飲んで寝る。夜中に掻いてしまっているのは変わらず。睡眠導入剤を飲むと、寝ることはできるが無意識に掻いてしまうという弊害が生じる。

14日目:前日に掻いてしまっているため、体が痛くてだるい。

15日目:保湿剤の残量が気になりだしたり、夜中の痒みがなかなか解消されないなど、少し湯治生活に限界を感じ、モチベーションが低下するが、余計なことを考えないように努める。

16日目:少し痒みが悪化し、一日かゆみを感じる。夜中の痒みも変わらず。

17日目~19日目:大きな変化なく、湯治生活が終了。

 

2日目ぐらいまでは移動の疲れとなれない環境のため、悪化するも、3日目からは改善が見られました。10日ぐらいまで順調に落屑が減っていき、保湿剤も使って乾燥の度合いも減りましたが、最後まで夜中の痒みは改善されませんでした。手の甲と首が比較的症状が重かったのですが、結局その部分は発疹や掻き傷は湯治期間中も多少の改善はみられたものの、最後まで回復しませんでした。

より詳細な日々の生活については、この日の投稿を初日として、滞在中は毎日日記を書いています。自分の記録用なので乱雑で、特に書き直しもしてませんが、良ければ読んで頂ければと思います。

 

3.湯治から戻った後の体調

 

結論から言うと、豊富温泉はリバウンドがあるという口コミの通り、大変残念ですが、私もまさにリバウンドを経験してしまいました。

湯治の期間中、結局夜中の痒みとそれに伴う睡眠がとれない状況というのが結局改善されないままでしたので、東京に戻ってきてもそれは変わりませんでした。

掻いてしまっているせいか、帰宅後3日目には落屑も再び発生してしまうような状況で、ほとんど行く前と変わらない状況になってしまいました。

元々、湯治で効果がなかったら薬を使った標準治療に戻すことを考えていたため、この時点でデュピクセントを使用することを決断し、実際にそのさらに2日後にデュピクセントを打ちました。(デュピクセントの効能については別でたくさん記事を上げているので、それを参照していただければと思います。)

これはあくまで私の中でのイメージですが、豊富温泉は傷と保湿にすごく良く効くが、痒みの神経への作用はないため、痒みは湯治を行っている間も帰ってきた後も痒みは継続したのかなと思います。湯治期間中は、温泉の効能により掻いても傷になりにくくなっていたことに加えて、お湯の保湿の効能により、湯治期間中は落屑が抑えられていたのが、帰ってきて通常のお湯になることで、その効果がなくなったために掻き壊しと乾燥が再開した結果、落屑も再開してしまったのではないかと考えています。

これらに加えて、稚内の落ち着いた気候から、いきなり梅雨の東京に戻ってきたことも悪化の一因かもしれません。

 

 4.現地での生活

 

私は、当時の期間中ずっと、「愉快宿」という湯治療養者向けの自炊型の施設に宿泊していました。大体の毎日のタイムスケジュールはこんな感じです。

 

8時頃:起床

9時頃:朝食(前日作ったものを温めなおす。)

12時頃:一度目の入浴

13時頃:昼食

15時頃:町へ自転車で買出(隔日)

17時頃:自然観察館で運動(湯治期間の後半から開始)

18時頃:二度目の入浴

19時頃:夕食

22時頃:就寝

 

「愉快宿」から3分歩いたところに、「ふれあいセンター」があり、その中に温泉施設があるという感じです。また、「ふれあいセンター」から5分ほどさらに歩くと、「自然観察館」という施設があり、そこではウォーキングマシン、サイクリングマシン、ダンベル、ゴムチューブ、ストレッチポールなどが置いてあり、自由に使うことができます。土日は休みですが、私は湯治生活が慣れてからはほぼ毎日自然観察館で1時間ほど運動をしていました。

それ以外には特になにもないので、ひたすら読書やネット、寝るぐらいしかすることがないですが、それはそれで貴重な時間になります。私は、宿に置いてあった山崎豊子大地の子を通読したり、ブログで日記を書いたりしていました。

私は体調がすぐれないと内気になってしまうので、他の湯治客とはちょっと話した程度ですが、社交的な人は同じ病気を持つ患者同士、結構仲良くなる人もいるみたいです。私の隣の部屋の人が、かなり社交的な人でしかも10年来定期的に通っているらしく、いろんな人の話をしてくれました。

買い出しは、「愉快宿」のすぐ隣に、「湯の杜ぼっけ」という小さな売店があり、そこでレンタサイクルを貸し出していますので、ここで借ります。温泉街から町まで6キロ余りの道のりを自転車こいで買い出しに行きました。

買い出しが大変な人は、車を持っている人に乗せてもらったり、バスを使ったり、自炊型の施設ではなく、食事の出る旅館に泊まったりするそうです。私は自転車がかなりいい気分転換になっており、また滞在中の天候もほぼ晴れていたので、特に苦労はありませんでした。

ここに乗せるとごちゃごちゃしてしまうので、写真は載せませんが、いつか豊富温泉の写真をまとめた記事を書いてリンクしたいと思います。

2021年8月3日ようやく写真をアップしました。よければこちらの記事も見てください。

【豊富温泉】写真まとめ - アトピーと共生する【デュピクセント継続中】 (hatenablog.com)

 

5.かかった費用

 

豊富温泉までのアクセスで2万円(マイル使用)、宿泊費が4万円、滞在中の費用が6万円の合計12万円でした。

詳細についてはこちらの記事をご参照ください。

 

6.豊富温泉へのアクセス

 

アクセス方法は主に以下の3パターンです。私は、行きは3の方法で、帰りは2の方法で帰りました。

ちなみに、アクセスに関するコストも「5.かかった費用」のリンク先の記事に詳細に記載していますのでご参考になれば幸いです。

 

新千歳空港から豊富温泉への直通バス

 

稚内空港から豊富温泉へのチョイノリレンタカー

ただしこのレンタカーはちょっと特殊で、運転手付きのレンタカーということになります。稚内空港から営業所までは営業所の職員が運転し、営業所から豊富温泉までは、職員を助手席に乗せて自分で運転します。職員がそのまま乗って帰るため、返却などは不要で、自分で運転するタクシーみたいな使い方になります。

チョイノリレンタカー:こちらの「空港パック」をご参照ください。利用日の2日前に電話予約が必要なのでご注意ください。

 

稚内空港稚内駅⇒豊富温泉

詳細はこの日の投稿をご参照ください。

 

7.まとめ

 

とても残念なことに、私は豊富温泉でアトピーが治ったとは言えない結果となってしまいました。ですが、結局私は東京に帰ってきてからリバウンドしてしまったのですが、少なくとも湯治の期間中は多少の改善は見られました。

私は、豊富温泉に行ったことで、自助努力で回復することに限界を感じ、デュピクセントを使用するきっかけになったので、結果的にはプラスになっているのではないかと思います。

今、デュピクセントの効果を実感している中で感じるのは、例えば標準治療と組み合わせて湯治を行ったり、痒みが強くなる時期(花粉の季節や梅雨など)に合わせて、悪化をさせないために、またアトピーの大敵であるストレスを緩和させる目的で、予防的に使うというのもありかと思いました。

もちろん、人によって効能はまちまちで、実際アトピーだった人が回復してそのまま豊富温泉に移住している方もいるぐらいなので、良く効く人もいると思います。アトピーの治療方法や何が効くかは、本当にその人それぞれなので、私以外の記事なども見てもらって、トライしてみてもよいかもしれません。もしわからないことがあれば、質問頂ければわかる範囲でお答えさせていただきます。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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